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  • 2025.1.13

    トミヤママチコのブログ

    パーソナルカラーの疑問

    トミヤママチコのパーソナルカラーBLOG 『光源色と物体色 : パーソナルカラーのやっかいな課題』

     

     

    「色には光源色と物体色の2種類があります!」。色彩理論の基本中の基本ですね。試験にも出るといわれて、真面目に覚えましたか?そんな色彩理論の知識が私たちの生活にどう反映しているのか、この頃しきりと気になるテーマなのでお話ししてみます。

     

    ある日、企業セミナーでパーソナルカラー診断の講習をしているときのことです。参加者は20代~40代という印象でこの時は全員女性でした。5,6人ずつのグループに分かれてモデルの胸元にドレープ(布製のテストカラー)を当てて、みんなで観察していました。結構ワイワイと盛り上がり楽しそうでした。

     

    その中に一人、目の前の実物モデルを見ずに、タブレット越しに見ている受講生がいらしたんです!えっ、何見てるの?どこ見てるの?本物が横にいるよ…。ご本人は真面目そうな方で一生懸命手元のタブレットに見入っています。実物とタブレットの違いなどは全く意識していない様子でした。モデルさんを見ましょうねとアドバイスすると「はいっ」と笑顔で答えてくれるのですがタブレットを手放すことはありませんでした。彼女にとってタブレットが「主」で実物は「従」のようでした。

     

    一方私はといえば、それからしばらくはあっちこっちでそのことを喋りまくっていましたから、トラウマ的な衝撃だったのです。

     

    私たちは今、タブレットやスマホ越しに見る「光源色」の世界にどっぷり浸かっています。でも、「物体色」はやはり人にとって基本です。自然界は物体色でほとんどが彩られているのですから。パーソナルカラーも同じです。これからの社会では物体色と光源色の違いを理解したうえで使い分けていく必要がでてくるでしょう。リアルな色(物体色)とバーチャルな色(光源色)をしっかりと学ぶ必要がある!と痛感します。バーチャルの中では好きなだけ修正も可能ですから行き過ぎも気を付けないと誰が誰だかわからなくなりそうです。

     

    光源色 vs. 物体色の特性

    • 光源色: 色を鮮やかで広範囲に表現できる。2次元の色で平面なので質感に関しては限界がある。
    • 物体色: 光源色に比べると、色の範囲は狭く鮮やかさも低い。3次元の色で立体感があってニュアンスがある。

     

    この違いは、心理的にも大きな影響を及ぼしそうです。白黒をはっきりさせたがる傾向に対し、その間にあるニュアンスのグレイを読み取れるかもとても大切なことです。

    時代が移っていくのはいろいろな試行錯誤を重ねながら進化していくことなのでしょうか。

    やっぱり面白そうですね。